金魚を飼育していると体に小さな“コブ”が現れることがあります。このコブは大きさやできる場所によって病気かそうでないか判断することができます。
AQUAさん
小さなコブの正体
金魚の体に現われる小さなコブの正体は繁殖期に出る「追星」もしくは「ボックス病」「イカリムシ症」の可能性があります。
追星は生理現象なので問題ありませんが、病気であれば対処する必要があります。
繁殖期に現われる追星
鰓蓋や胸びれの周辺に白い小さなコブや斑点が現れた場合は「追星」の可能性が高いです。
追星は繁殖期のオスに出るので、雌雄の判別に用いられることも少なくありません。成熟したオスが繁殖期に差しかかるとメスを追いかけまわすようになるため、追星と呼ばれます。基本的に繁殖期以外は現れませんが、なかには繁殖期を過ぎても追星があるものもいます。
病気ではないので心配する必要はないものの、注意点が一つ。それは白点病と間違えやすいことです。白点病で体表に現れる白点と追星が似ているので、「追星だから大丈夫」と油断して処置が遅れてしまう可能性があります。鰓蓋や胸びれ以外に現われた場合は白点病を疑いましょう。
ボックス病
金魚の体表に白色もしくは薄ピンク色の小さなコブが現れたら、「ボックス病」の初期症状を疑いましょう。
ボックス病は別名“乳頭腫症”とも呼ばれる病気で、体にコブができるのが特徴です。この病気が原因で死んでしまうことは滅多にありませんが、長期化することで肥大してしまいます。すると大きなストレスとなって体調を崩したり、体を擦り付けたりして違う病気につながることも珍しくありません。金魚は観賞性が重視される魚なので、目立つ大きなコブは大きな問題といえます。
この病気の厄介な所はウイルス性で完治が難しい点です。コブを切除する方法もありますが、出血して衰弱してしまう可能性が高いので、おすすめしません。さらに、どのような処置をしても再発するケースが多いです。
また、感染することがあるため発症した金魚は隔離して水槽を一度リセットした方が安全です。短期間でどうにかなってしまうことはないものの、非常に厄介な病気といえます。
イカリムシ症の初期症状
イカリムシが金魚の体に寄生する「イカリムシ症」の初期症状でもコブ状に見えることがあります。
症状が進むと細長い寄生虫が確認できますが、初期症状や寄生場所によっては白く盛り上がって判断が難しいことも。重篤化すると衰弱したり、炎症よる二次感染が起きたりしかねないので、早めに処置する必要があります。
魚の扱いに慣れているのであれば、ピンセットで直接取り除く方法があります。ただし、素早く行わないと擦れによるダメージが大きく、悪化してしまうことがあるので注意しましょう。
他にも治療法として薬浴や塩水浴も効果的です。薬浴では「リフィッシュ」が一般的で、塩水浴の場合は0.5%の塩水を用意しましょう。
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市場から「魚病薬」が消える…!?金魚の体調不良は塩で治す!塩水浴の効果とは?金魚のコブは有害か無害か見極めることが大切!
金魚の体に現われるコブは大きさや形、色、できた場所を確認して、有害かどうか確認しましょう。
追星ではないけれど判断がつかない、そのような場合は塩水浴で様子を見るのも一つの手です。白点病やイカリムシ症の初期症状であれば回復する可能性が高く、隔離することで他の魚に感染するリスクを下げることができます。
もちろん、塩水浴中に病気の症状がはっきり表れた場合は薬浴に移行するとより効果的です。
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