AQUAさん
実は現在、メーカーが製造する魚病薬が原料、製造上の理由、ということで全国の売場から消えつつあります。飼育者にとっては大ピンチ。このピンチを乗り切るために、「塩」の使い方、勉強しておきましょう。
塩水浴とは?
塩水浴とは体調が優れなかったり、病気の兆候が見られたりなどする魚を短期間、塩分が含まれる水で飼育することです。
魚の健康状態を改善する効果が期待できる、アクアリウムでは有名な方法です。もちろん、金魚にも効果的なので、末永く健康的に過ごしてもらうためにも必要不可欠な技術といえます。
塩水浴のメリット
塩水浴がなぜ効果的なのか、そしてそのメリットを具体的に解説します。
前提として、塩水浴は直接病気に左右するというよりも、“回復しやすい環境にする”と考えてください。
体の負担を減らし回復力を上げる
金魚は淡水魚で、塩分の含まれない淡水で暮らしています。
しかし、金魚の体内には塩分が含まれているため、浸透圧によって水が体内に入ってきてしまいます。人間でも長時間水に浸かっているとふやけますよね。金魚も同じですが、普段は粘膜で水の侵入を防ぎ、多くの水を排出することで対応しています。
しかし、これは言いかえると常に水分をコントロールしなければならない、負担がかかっている状態ともいえます。そこで、塩水浴によって塩分を加えることで、金魚と水の塩分の差を減らし、体内に入りにくい環境を作ることが可能です。
自分で水分をコントロールする負担が少なくて済むため、体力が回復しやすく健康不良や病気の改善効果が期待できます。
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白点病の初期症状に効果あり
塩水浴は初期症状であれば、白点病に対しても効果が期待できます。
しかし、重度になると塩水浴では治療できないので魚病薬を使いましょう。
![](https://i0.wp.com/kingyo.piapia.work/wp-content/uploads/2020/02/白点病.jpg?resize=160%2C160&ssl=1)
塩水浴の方法
ここからは塩水浴の方法をご紹介します。
塩分を間違えると金魚にダメージを与えてしまうので注意しましょう。
隔離水槽を用意する
塩水浴をする場合は隔離水槽を用意する必要があります。
後ほどご紹介しますが、塩水は水槽の環境を変えてしまうので他の生体にも影響しかねません。別の水槽を用意して塩水浴しましょう。
塩水を作る
塩水の塩分は0.5%に調整します。
水1リットルに対して5gで、塩の種類は一般的な食塩でかまいません。薄すぎると効果が出ませんし、濃すぎると金魚に悪影響を与えるので注意しましょう。
一度に入れるのではなく、少しずつ数回に分けて0.5%に近付けると金魚の負担が少なく済みます。その際、温度調整も忘れないようにしましょう。
塩水浴の期間は1週間を目安に
塩水浴は様子を見ながら1週間程度行いましょう。
その間はできるだけ餌を与えないほうが良いです。隔離水槽はバクテリアが少ない環境なので、魚の排泄物に含まれる有害なアンモニアが分解されず溜まりがち。餌を与えると、それだけアンモニアも増えてしまいます。
かわいそうかもしれませんが、塩水浴中は餌を控えましょう。効果が薄く長期化しそうな場合は薬浴に切り替える、もしくは水換え(塩分は0.5%を維持します)をしつつ、少量の餌を与えます。
塩水浴のデメリット
塩水浴にはデメリットがあります。効果的な場合とそうでない状況を見極めて行うことが大切です。
特効薬になるわけではない
塩水浴は金魚自体の回復力上げる意味合いが強いです。
そのため、病気の種類や進行具合によっては効果がないことも。その場合は、病気に合った魚病薬が必要になります。
水草が枯れる
塩分は水草にとって悪影響となります。枯れてしまうことも少なくないため、水草がある水槽で塩水浴はできません。隔離水槽を用意しましょう。
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